始まりは、講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」
ラジオドラマ弁慶記の始まり
FM TANABE株式会社は、コロナ禍に苦しむ地域の活性化のため地元の偉人として愛される武蔵坊弁慶の生涯を描いたラジオドラマを制作・放送しました(2022年3月~5月放送 全60話)。
地域の方々約70名以上が参加
講談師の玉田 玉山氏を語り部に、メインキャストをプロの声優・俳優が務め、約70名の地域の方々にご出演いただきました。音楽制作には、田辺シティブラス・紀南交響楽団・田辺市立明洋中学校吹奏楽部から木管・金管楽器の演奏者を募り、8名の方にご協力いただきました。
みんなの想いが身を結び、まさかの受賞!
地域の皆さまから多大なるお力添えをいただき完成した「弁慶記」。皆さまの想いが実を結び、第60回ギャラクシー賞ラジオ部門 優秀賞、第49回放送文化基金賞ラジオ部門 最優秀賞及び企画・演出・脚本賞を受賞いたしました。
【第49回放送文化基金賞 ラジオ部門 最優秀賞受賞】
第49回放送文化基金賞贈呈式が2023年7月13日ホテルオークラ東京で開催されました。放送文化基金賞は、『視聴者に感銘を与え、放送文化の発展と向上に寄与した優れた放送番組・配信コンテンツ』『放送文化、放送技術の分野での顕著な業績をあげた個人・グループ』を対象に表彰されます。ラジオ部門でFM TANABE制作の講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」が【最優秀賞】に選ばれました。
【第49回放送文化基金賞「企画・演出・脚本賞」受賞 大﨑 健志】
第49回放送文化基金賞では最優秀賞の受賞に併せ、FM TANABEの局員で講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」の企画・演出・脚本を手掛けた大﨑 健志が【企画・演出・脚本賞】を受賞しました。
【第60回ギャラクシー賞 ラジオ部門 優秀賞受賞】
放送分野の優秀な作品・個人・団体を顕彰する賞として『国内最高の栄誉』とされるギャラクシー賞。ラジオ部門でFM TANABE制作の講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」が【優秀賞】に選ばれました。
受賞コメント
和歌山県田辺市は、源義経に仕えた武蔵坊弁慶の出生の地と伝わっています。このラジオドラマは、コロナ禍に苦しむ地域の皆さんに、地元の偉人である弁慶さんの雄姿をお届けし、前向きに日々を過ごすきっかけとしていただくことを目的に、社員4名による「弁慶記制作実行委員会」にて企画しました。
制作にあたっては、語りの伝統芸能である講談のお力をいただきました。
脚本への深い理解と洞察を持って演じてくださったメインキャストの皆さま、お祭りに参加するような明るさでセリフを読んでくださった地域出演者の皆さまが、ドラマに生き生きとした魅力を与えてくださいました。
「弁慶記」をお聞きいただき、応援してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
弁慶記制作実行委員会
そして「弁慶記」は、
「文学」から「音楽」へ 吹奏楽プロジェクトへ続いていきます。
「弁慶記」吹奏楽プロジェクトとは?
「文学」から「音楽」へ
コロナ禍で落ち込んだ町の方々の気持ちを少しでも明るく照らしたい。そんな想いに共感する皆さんの協力をもとにできあがった「弁慶記」。「弁慶記」はたくさんの出会いと人の温かさ、挑戦する勇気、皆で作る楽しさ・・・いろんなものを与えてくれました。
「弁慶記」で得られた感動をもう一度、地域の皆さん、楽しいことが大好きな皆さんと一緒に感じたい。その想いは吹奏楽へ形を変え、もう一つの物語がスタートしました。
プロジェクトのきっかけ
ラジオドラマ放送後、受賞を機に認めていただいた「弁慶記」を地域貢献や活性化にもっと活かす事ができないか制作実行委員会で検討を重ねた結果、本作を彩った「弁慶記」の音楽(音楽家・岡田太郎作)を吹奏楽で演奏できる楽譜に編曲して演奏会を開いては?という話が持ち上がりました。放送当時、リスナーの皆さまから「弁慶記のあの音楽がラジオから流れてこないと寂しい」、「落ち着かない」といった声が多かった事もあり、大ホールであの音楽を吹奏楽の壮大なスケールで聴いてみたい!という好奇心も制作実行委員会で一致し、プロジェクトの方向性が定まりました。
地域の課題、進む少子化
過疎化、少子化が進む紀南地方。
多くの学校でクラスの数が減り、当然ながらどのクラブも部員数が少なくなっています。吹奏楽部に関しても例外ではなく、部員数が10名以下という学校も今や珍しくありません。吹奏楽の醍醐味の一つである大編成での演奏がやりたくてもできない。演奏する機会がない。顧問の先生や生徒からそんな声が聞こえてきました。
「弁慶記」吹奏楽プロジェクトで、その課題解決にお力添えができないものか?
吹奏楽の楽譜を制作し、一緒に演奏することで地元の文化を全国へ広げるというテーマだけでなく、もう一つのテーマがプロジェクトに加わりました。
約100人の超大編成で地域の皆さんと一緒に演奏会を開催する!
中学高校生の皆さん、吹奏楽部OB、OGの皆さん、楽団に所属している皆さん、昔演奏していて久しぶりに演奏してみたい皆さん、吹奏楽が大好きで中学生以上であれば誰でも参加OKの演奏会を開催し、大編成で演奏する楽しさを皆さんと一緒に味わおう!
吹奏楽プロジェクトの骨格となるテーマはこうして決定に至りました。
弁慶記吹奏楽プロジェクト始動!演奏会の開催決定!
ラジオドラマで使用した楽曲から数曲を組み合わせた「弁慶記組曲」を制作します。吹奏楽の楽譜を作り各団体に演奏していただくことで、”武蔵坊弁慶出生の地、和歌山県田辺市”のイメージを全国に広げる狙いがあります。(※弁慶さんの生誕の地とされる場所は全国各地にありますが、熊野別当の嫡子であるという説や産湯の釜、産湯の井戸、弁慶の腰掛石といった幼少期にまつわる史跡が多く残ることから田辺が生誕の地として有力視されています。)
「弁慶記」の曲を吹奏楽で演奏するにあたり、まず始めにDTM(デスクトップミュージック)で制作された曲の譜面起こしをする必要がありました。しかしながら実行委員会のメンバー(素人)が思っているほど簡単なことでは無いことが分かり、いきなり大きな壁に直面しうろたえるメンバー・・・。
そんな中、譜面起こしを引き受けてくださったのが紀南交響楽団の杉原孝先生!私たちの想いを汲み取ってくださり、困難を承知の上で譜面起こしを引き受けてくださいました。(なんとご家族で作業にあたっていただきました・・・!)
そして「弁慶記」の曲を吹奏楽で演奏するために最も重要となるのが編曲です。岡田太郎氏が制作したDTMがどんな風に吹奏楽に昇華されるか、このプロジェクトの鍵を握ります。また、吹奏楽に編曲することで紀南地域の学校だけでなく、全国の学校でも演奏してもらいたい想いや「弁慶記」の主人公、武蔵坊弁慶と和歌山のストーリーを知っていただくきっかけになるのではないと考えました。
「この人がもし編曲してくれたら夢は現実になるんじゃないか?」実行委員会のメンバーより、ある作曲家の名前が上がりました。
吹奏楽に携わる人なら誰もが知る吹奏楽界の巨匠・八木澤 教司氏。
2015年、田辺市から委嘱され、町村合併10周年記念曲「いにしえの道~崇高なる紀伊の大自然を讃えて」を作曲された経緯もあり、田辺市とも縁があります。現在は神戸女学院大学音楽学部准教授として作曲・吹奏楽・音楽理論の指導にあたっており、手掛けた楽曲は国内外問わず吹奏楽のレパートリーになるなど、「八木澤先生の音楽を演奏したい」という吹奏楽人口はかなりの数に上ります。
しかしこんなビッグな方が受けてくださるのか。さすがに無理・・・と思いつつもダメ元で「弁慶記」のことや今回のプロジェクトの趣旨を添えて打診したところ・・・・なんと!!まさかまさかのご快諾!私たちがプロジェクトを通して叶えたい夢を親身なって聞いてくださり、お力を貸していただけることになりました。
岡田太郎氏が手掛けた曲が、杉原孝先生によって楽譜に起こされ、八木澤教司先生によって編曲される・・・。「弁慶記」吹奏楽プロジェクトは演奏会に向けて最高の形でスタートを切りました。
本プロジェクトは、12月1日(日)、紀南文化会館 大ホールでの演奏会開催を目標に活動して参ります。
講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」を聞いて応援してくれた地域の人や、制作に関わってくれた多くの方々に感謝の気持ちを込めて、地域の魅力を感じられるような、ドキドキ・ワクワクするような演奏会を開催したいと考えています。
【弁慶記吹奏楽プロジェクト演奏会のポイント】
●超大編成、かつ生演奏ならではの迫力ある演奏会に参加出来る機会を創りたい!
●音楽を制作したのは新進気鋭の音楽家・岡田太郎氏
譜面起こしは熊野高校吹奏楽部のレベルを引き上げた紀南交響楽団の杉原孝先生
編曲は吹奏楽界の巨匠・八木澤教司先生
●音楽を通じて世代間交流を図り、地域の魅力を感じてもらいたい!
音楽家・岡田 太郎氏
1988年大阪府枚方市生まれ。
10代の頃からバンドでの音楽活動をスタート。立命館大学在学中の2011年に演劇やダンスなどの舞台芸術と出会い多様な音楽表現に挑戦していく。「弁慶記」企画・演出・脚本の大﨑健志とはこの頃に出会い、彼の主催する劇団の音楽も手がけた。近年は舞台に限らず映画やテレビなど映像音楽や、アーティストへの楽曲提供やプロデュース、自身のバンドでの表現にも力を入れている。SKAやREGGAE、FUNKなどのブラックミュージックから影響を受けたリズムやDubの手法を取り入れた作編曲スタイルを得意とし、それと同時にロックンロールの精神も常に持ち合わせ幅広いジャンルの楽曲で人間に寄り添う。近年の作品として舞台『LUNGS』への音楽、舞台『ジャングル・コンクリート・ジャングル』への音楽、演奏出演、岡山芸術創造劇場ハレノワ 開館事業 『100人ダンス』作曲、出演テレビ『旅するためのドイツ語 第一シーズン』OP・ED等楽曲提供などがある。
作曲家・八木澤 教司氏
武蔵野音楽大学作曲学科卒業、同大学大学院音楽研究科修士課程修了。吹奏楽やアンサンブルの代表作は日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、南米でも重要なレパートリーとなる。2019年11月9日、天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」として、東京2020パラリンピック開会式の式典音楽として作品がそれぞれ抜擢された。その他、ヨーロッパで歴史的権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に作品が選定、ミステリー映画「ソロモンの偽証・後篇」では《輝きの海へ》が挿入曲として使用されるなど活動は多岐に亘る。これまで全国植樹祭、全国高等学校総合体育大会、国民体育大会の式典音楽制作を歴任。各種コンクール審査員、客演指揮、指導、講演、音楽雑誌執筆に加え、音楽出版社のプロジェクトアドバイザーなどを務める。合唱曲として手がけた《あすという日が》は“希望の歌”“東日本大震災復興シンボル曲”と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川りみ、秋川雅史の両氏によって熱唱された。
第21回日本管打・吹奏楽 アカデミー賞[作・編曲部門](2011年)受賞、平成23年度 JBA下谷奨励賞を受賞。
現在、神戸女学院大学音楽学部准教授として作曲・吹奏楽・音楽理論の指導にあたる。
紀南交響楽団指揮者・杉原 孝氏
元熊野高校音楽教諭で吹奏楽顧問。
過去、和歌山大学交響楽団と和歌山市交響楽団でファゴットと指揮を担当。
2017年4月から紀南交響楽団の指揮者として楽団を指導。
吹奏楽指導者協会(JBA)関西支部役員(事務局次長)
吹奏楽指導者協会主催の指導者検定1級資格を所持。
2024年4月より紀美野町立野上中学校吹奏楽部顧問。
FM TANABEって?
講談風大河ラジオドラマ「弁慶記」を制作・放送し、今回の「弁慶記」吹奏楽プロジェクトを立ち上げた和歌山県田辺市にある、社員4名、市民パーソナリティ約50名からなるコミュニティラジオ放送局。
開局以来、7時から22時(日曜日は21時)まで基本生放送で地域の企業・学校・行政の取り組みなどを扱うワイド番組や音楽番組、バラエティ番組をお送りしており、イベントや野球中継等の出張放送も実施しています。
演奏会情報
日程:2024年12月1日(日)
開演:14:00 開場:13: 30
場所:紀南文化会館大ホール
参加:田辺シティブラス有志メンバー
主に紀南の中学・高校吹奏楽部
一般の参加応募者
練習期間:9月頃~(合同練習)